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長期優良住宅もうすぐ10年!メンテナンス計画は大丈夫ですか?

 長期優良住宅の導入からもうすぐ10年。建物の点検・補修計画も、いよいよ屋根や外壁の着手時期になります。ですが、建物の所有者が、その点検・補修計画自体を知らないことが結構多くて驚きます。

 長期優良住宅の申請書類では、建物の維持管理計画を添付して許可を得ています。その申請書は建物の引き渡しの時に初めて渡され、「大切にしまっておいてください(笑顔)。」と言われたりして、目を通さずクローゼットの奥にしまっている方も多いのだと思います。

 今回は、長期優良住宅についてお話ししたいと思います。認定建物の所有者さんは、建物引き渡しの時に、なにげなく渡された申請書類を掘り出してみてくださいね。

長期優良住宅の導入からもうすぐ10年

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 長期優良住宅は、2009年6月より施行されました。導入当初は、申請する建築士は手探りで書類作成し、申請窓口の方達も対応に追われ、申請許可を受けるのに何か月も掛かったと記憶しています。

 ハウスメーカーの営業マンは、税金の軽減や住宅ローン金利の優遇をクローズアップしたセールストークを行い、「長期優良住宅は使わないと損!地元工務店ではできません!」として、長期優良住宅を量産しました。

 あれから、もうすぐ10年が経ちます。品確法による新築戸建ての瑕疵保証も10年間で、建築会社の無償定期点検の終了時期が近づいています。長期優良住宅の認定を受けた建物が、これからぞくぞくと有償点検・有償補修工事に切り替わる年です。

 

認定住宅は毎年10万件ペース

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 国土交通所の調べでは、平成30年3月までで、新築一戸建て住宅の長期優良住宅認定の累計数は894,943件だそうです。毎年10万件のペースで認定住宅が増えている状況です。

【国土交通所 認定の実績】はこちらから

http://www.mlit.go.jp/common/001213705.pdf

  これだけ認定住宅が利用され続けているのは、フラット35の金利優遇・補助金・税の軽減など、「お金のメリット」を多く受けられることが後押ししています。

 一方、長期優良住宅の申請では、長期の点検・補修計画をたてて、維持管理費用の積立金額も明記しているのですが、ほとんどの場合は建築会社が社内規定で作成し、施主が申請書類の内容を理解していないというのが現状なのだと思います。

 

長期優良住宅の所有者がやらなければならないこと

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 この制度の本来の目的を達成するために、認定建物の所有者はいくつかの義務が課されます。長期優良住宅の申請では、30年以上の建物維持管理計画を添付し、建物完成後は計画に沿った建物管理をすることになってきます。

 制度の内容を理解しないで認定を受けている方が、今後抱える問題はどのようなものがあるでしょうか。

建物の点検・検査

 建築会社が行う建物の点検・検査は、10年目くらいまでが無料、それ以降は有料点検としていることが多いようです。「今回から有償点検に切り替わり、1回5万円になります!」と言われた場合、「やらなくていいや」と思う方もいるでしょう。

 だだし、長期優良住宅認定建物の所有者には、有料なら建物検査はやらないという選択肢はありません。点検を行わないと、申請時に提出した維持管理計画を実施しないことになってしまうからです。

補修工事

 建物の点検・検査をすると、検査した会社が「検査報告」を出してきます。その中では、必要な補修工事を提案してくるのですが、「適正な工事がされるのか」「適正な費用計上がされているか」は、一般の方にはわかりにくいと思います。

 現在でもリフォーム会社による、過剰工事で費用が水増しされていたり、不要な修繕をさせられたりというトラブルがあります。

 長期優良住宅認定の建物所有者は、「点検・補修の記録を保管」する必要がありますので、検査や補修工事にあたり信頼できるパートナーが必要となります。

建物維持保全の積立金

 長期優良住宅の申請書には、建物維持保全の積立額を記載します。積立額は、私が縁のあった建築会社では年額12万円(毎月1万円)くらいを設定しているところが多いと思います。

 本当に修繕が必要となった時にこの額で足りるかどうかは意見が分かれると思いますが、そもそもまったくお金を準備していないとなると、点検後の修繕工事の費用を聞いて、ただ驚くだけしかできません。

 

違反するとどうなる?

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 長期優良住宅の義務違反が発覚した場合、30万円以下の罰金、改善命令、認定取り消し(認定によって受けられた補助金や税優遇の返還!)と、厳しい処分がされる可能性があります。

 制度の内容をちゃんと説明を受けずに、税金の軽減や金利優遇だけで認定を取得してきたかたは一定数いるものと思います。故意にではないにしろ、義務違反をしてしまう方が、今後たくさん出てくる可能性があります。行政側の対応も、義務違反に対してどこまで強い態度で改善を求めるかは注目したいところです。

 

まとめ

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 長期優良住宅は、税制や金利優遇などの「お金のメリット」も多く、恩恵が受けられる方は利用価値があります。ただし年収や資金調達方法によっては、この「お金のメリット」の恩恵がかなり少なくなるひともいます。また、認定取得費用が高額な建築会社もありますので、制度利用の前にしっかり確認しましょう。

 本来は目的は、住宅の性能が公的に証明されることと、住宅を長持ちさせるための制度です。この本質を理解できるなら、長期優良住宅の制度利用はおすすめできると思います。

 

国土交通

住宅:長期優良住宅のページ - 国土交通省