家を買うならここが知りたい!

利害関係や余計な立ち回りぬきで、気になる不動産の情報をお話しします!

ぜひ契約前に説明をしてもらいましょう!【重要事項説明書】

 不動産購入の契約では、たくさんの書類がつくられますが、いずれも、小さな文字で難しく書いてあり、呪文のように淡々と説明されていきます。読み合わせで1時間以上掛った後に「何かわからないことはありますか?」みたいに聞かれても、ほとんどの場合は何を質問していいかわからないというのが現実です。

 今回は、不動産購入の契約で取り交わされる【重要事項説明書】についてお話ししたいと思います。

【重要事項説明書】は契約前に説明される書類

f:id:musubima-san:20190416125112j:plain

 不動産購入の書類の中で、【重要事項説明書】というものがあります。法律では契約前にこの書面を説明・交付しないといけないことになっているのですが、現実的には契約日に初めて見せられて署名している方がほとんどです。もちろん法律違反にならないように、

【重要事項説明書】読み合わせ>>>直後に売買契約書の作成

としているので、順番としては「契約前に説明」といえるのかもしれませんが、消費者目線で言えば、契約と同時に説明されていると言わざるを得ないでしょう。

 そういうことなので、不動産購入の契約前にはポイントがどこになるのか知っておきたいところです。 

 

【重要事項説明書】はどんなことが書いてある?

f:id:musubima-san:20190416125146j:plain

 重要事項説明書の書式は、大体こんなことが書いてあります。

  1. 買主・売主・不動産会社はどんなひと(会社)か
  2. 土地の地番や大きさ 建物の大きさなど
  3. 売主さんの住所や名前と、不動産を借りている人などに関すること
  4. 登記簿に書いてあること
  5. マンションなどの場合の敷地は持ち物か借り物か、共有部分の規約など
  6. 都市計画法という法律で利用を制限される内容
  7. 建築基準法のという法律で制限される内容 建てられる建物の種類や規模、道路についての説明
  8. その他の法律による利用の制限
  9. 私道の負担など
  10. 水道・電気・ガスの設備利用状況
  11. 建物検査についての内容
  12. 売買代金以外で売主さんに支払うお金
  13. 契約が解除になる場合の説明
  14. 損害賠償についての説明
  15. 手付金などの保管方法
  16. 住宅ローンのあっせんがあるか
  17. 欠陥などの責任に保険などを付けるか
  18. その他の特約

のような順で記載されていることが多いようです。書式は不動産会社によってことなりますので、言葉の言い回しや順序の前後はありますが、記載項目は法律で決められています。

 

大切なポイントは?

f:id:musubima-san:20190416125722j:plain

 重要事項説明書に書いてあることは、もちろん全部重要なのですが、その中でもポイントとなる点をいくつか絞ってみます。実務上では、以下のようなポイントに、後々のトラブルが隠れている可能性が高いです。

 

戸建て・土地を購入する場合

f:id:musubima-san:20190416131803j:plain

建築基準法の制限

 建築基準法の建ぺい率・容積率・高さ制限・壁面後退はどのくらい制限されているかを確認しましょう。「一種高度地区」などの高度地区にしてされていると、建物の建替えを検討したときに、希望の建物がつくれない場合があります。敷地を目一杯利用したい場合には注意が必要です。

 

中古物件の場合の増改築

 中古戸建の場合、増改築がされていないか確認しましょう。増築しているのであれば、役所の検査(建築確認済み証)を受けているか、増築により建ぺい率・容積率オーバーなどの「既存不適格」になっていないか確認しましょう。もし「既存不適格」になっていると、希望の金融機関で住宅ローンが利用できない可能性があります。

 

物件に接している道路はどんな道路か?

 道路の問題を抱えている物件は、意外と多いですから大切なポイントになります。接している道路が「建築基準法上の道路」なのかは絶対確認が必要です。「但し書き道路」といわれるものの場合、建物を建て替える際に行政の許可が必要になります。何かの理由で許可が下りないと、その土地の不動産価値は半分以下になってしまう可能性があります。

  また、接している道路が「公道」なのか「私道」なのかを確認しましょう。「私道」であれば持ち分を持っているのかが重要です。私見ですが、接している道路が「私道」で持ち分をもっていない物件は可能な限り避けたいです。どうしてもそのような物件が欲しいなら、最低でも「通行使用と掘削の承諾書」を売主負担で取得するのは必須条件にしましょう。

www.musubima-san.com

 

 電気・水道・ガスの確認

 電気・水道・ガスが利用できることは当然の条件として、それらのライフラインを利用するのに工事が必要となる場合があります。

 現在、新築で戸建を建てる場合、水道の引き込みは20mmの口径を利用しますが、昔の住宅では13mmの口径が主流でした。現在の住宅は蛇口の数が多くなっていたりするので、13mmの口径では水圧が低くなることがあります。購入する敷地の水道引き込みが13mmのままですと、やり直しの工事が発生して60万円程度の費用が掛かった事例がありました。また、物件の近くまで水道管がきていなくて、50m先の道路から引き込み工事をすることになって500万円くらい費用がかかった事例もあります。

 電気についても、現地をよく見たら近く電線が来ておらず、電力会社の建柱工事待ちで何か月も待たされたり、敷地の前に多数の電線があるため建築工事にクレーンが使えず、通常より建築費用が高くなるということも結構あります。

 他にも配管や電線などが他人の敷地を通過していて、後のトラブルにつながる場合がありますので、不動産会社には調査の内容をしっかりと報告してもらいましょう。

 

境界の明示は売主負担か

 境界の明示は売主の負担になっているか大切な部分です。隣の敷地との敷地境界だけではなく、道路と敷地の境界も売主によって明示されるかを確認しましょう。境界トラブルはよく発生する問題です。売地や戸建住宅の売り物件で、境界明示が買主負担となっている物件は、私なら絶対買いません。

以前境界標のトラブルについて記事を書いてます。ご参考ください。

www.musubima-san.com

 

現地の状況についての取り決め

 ブロック塀の高さが1.2ⅿを超えるなどしていて、建て替えの時に直す必要があったり、隣の敷地にはみ出している物や、隣のからはみ出てきているものがある場合の解消は売主負担になっているか確認しましょう。以前の事例では、「隣地からの越境物がある」と契約書類に記載されたところ、フラット35の審査が止まって、隣地の所有者から覚書をとらないと融資できないと言われた事例がありトラブルになりました。

 

マンションを買う場合

f:id:musubima-san:20190416132054j:plain

規約は当然チェック

 マンションの場合は、管理規約でいろいろな利用制限を掛けています。ペットの飼育が可能であれば、どのくらいの大きさのペットを何匹まで飼ってよいか、部屋を事務所としての利用するのは可能か、管理組合の議決権の修正があるかなど、関心がある項目があれば契約前に原文をチェックさせてもらいましょう。

 

マンションの「重要事項調査報告書」という書類

 マンションでは管理会社が作る資料で「重要事項調査報告書」というものがあります。マンション全体での管理費・修繕積立金の滞納状況や、長期修繕計画の実施状況、マンションによっては飛び降り自殺の履歴などが記載がされていることもあります。

 マンション全体での管理費・修繕積立金の滞納や、長期修繕がされていないというのは、いわゆる負の財産です。これは、マンションの共有者で将来負担しないといけない可能性があります。負の財産が多ければマンション自体の資産価値を下げるものなのですが、ほとんどの場合、購入者側から「見せてほしい!」と言わないと説明してくれません。

 不動産会社は比較的早い段階でこの書類を手に入れていることも多いので、必ず見せてもらいましょう

 

 

戸建て・マンション共通の確認事項

f:id:musubima-san:20190416132152j:plain

期日の確認

 不動産の契約では、いろいろな期日が設けられています。一方的に期日遅れをしたりすると、相手から損害賠償を求められる場合があります。

  • 手付金を放棄すれば解約できるのはいつまでか?
  • 住宅ローンの審査で結果がダメだった場合に白紙解約できるのはいつまでか?
  • 物件の引渡日はいつか?

など、重要事項説明書では必要な期日が指定されています。不動産の契約では「うっかり忘れていた」では済まされないものばかりです。期日の内容を理解して、カレンダーに日付を落とし込みましょう。

 

登記簿に抵当権・根抵当権があるか確認

 登記の記載で、抵当権・根抵当権がある場合は債務の額を確認しよう。売主が不動産業者以外で、売買価格より登記簿に書いてある債務額が上回る場合は、手付金を仲介会社に預けるのが慣例になっています。のちにいろいろな事由が発生して、やむを得ず解約になったときに買主へ返金できるようにするためです。「抵当権」や「根抵当権」、もっというと「差押え」や「仮差押え・仮処分」などがついている物件の場合は、手付金の保管先を確認しましょう。

 

特記事項は特に大事

 特記事項は、【重要事項説明書】の最後のページに綴じられることが多いフリーワードのスペースです。ここに記載されている内容で、その物件独自の取り決めが記載されていたりします。例えば、

  • 不動産の欠陥についての責任(瑕疵担保責任)は売主負担になっているか?
  • 不動産の周辺に気づいていなかった嫌悪施設がないか?
  • 対象の不動産で、自殺や事件の歴がある「事故物件」ではないか?

などなど、今回の売買取引で取り決められる特記事項は必ず読んで、不明点は不動産会社に説明を求めましょう。

 

まとめ

f:id:musubima-san:20190401154957j:plain

 不動産の契約に慣れていない方が、契約当日に契約書類に書かれている問題点を指摘することは難しいことだと思います。少なくても、重要事項説明書と契約書については、「どんなに遅くても契約の前日までに欲しい!」と、しっかり申し出ましょう。

 また、スマートフォンでは録音するアプリも無料で入手できます。契約時に受ける説明は、同席するかたの承諾をもらって音声記録をとることをお勧めします。