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住まいの蓄電池導入はどのくらい効果があるのか?

 確か7年前くらいに、住宅建材メーカがたくさんが集まってプレゼンするイベントに参加したことがありました。その時の印象に残っているのは家庭用蓄電池です。その会場では、5kwhくらいの蓄電池を数百万円で提案する企業があり結構衝撃的でした。その後、スマートハウス的なコンセプトの住宅が流行りだして、蓄電池を取り扱う建築会社も増えました。

 今回は、「住まいの蓄電池導入はどのくらい効果があるのか?」についてお話ししたいと思います。

家庭用蓄電池はどのようなものがあるか

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 家庭用蓄電池の出始めの頃は、3kwhくらい~8kwhくらいの日本の家電メーカーのものが人気でした。最近では電気自動車を手掛けるメーカーが参入したり、レンタル契約の商品があったりと、興味がそそられる商品も多くなっています。蓄電池メーカーの一括見積サイトもあったりしますので、以前よりも商品が比較しやすい環境になりました。

 テスラ社の家庭用据え置き蓄電池「Power wall」は、13.5kwhの大容量を製品・施工で約150万円(2019年3月30日「Power wall」ページにて)で販売されていたり、日産リーフなどの電気自動車が、蓄電池として家に電力供給するシステムがあったりと、コストや使い勝手がよくなってきています。

【テスラ社 「Power wall」】ページはこちらから

Powerwall | テスラ ホームバッテリー

※TESLAのホームページです。広告ではありません。

【日産リーフ 蓄電池利用】はこちらから

日産:リーフ [ LEAF ] | 蓄電池利用

※日産自動車のホームページです。広告ではありません。

 

蓄電池を導入する4つのメリットの真実は?

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 家庭用蓄電池を販売してる業者さんは、以下のようなメリットを提示しているケースが多いようです。

  • 災害時に安心
  • 太陽光発電との相性が良い①自家発電して電気を貯められる
  • 太陽光発電との相性か良い②パワーコンディショナーが内蔵されている
  • 電離料金の削減効果

  それぞれのメリットについて本当のところはどうなんでしょうか?

 

災害時に安心

 阪神淡路大震災の発生後、関西電力による応急送電は、早いところで2日目からの通電、管内全域への仮復旧は7日間を要したとのことです。

【関西電力 阪神・淡路大震災 応急送電まで】はこちらから

阪神・淡路大震災~応急送電までの7Days|電気の安全・安定供給|エネルギー・安定供給|関西電力

※関西電力のホームページです。広告ではありません。

 一般的な蓄電池の容量では、家全体を通常通り利用するほどの電力確保はできませんが、LED照明や携帯電話などの電力が確保されるだけでも、安心感はかなりあるはずです。個人的には蓄電池のメリットは、これが一番大きいと思っています。

 

太陽光発電との相性良い①自家発電して電気を貯められる

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 太陽光発電などで、「自家発電して電気を貯められる」という内容は、経済的に視点でみるとあまり意味が無いでしょう。2019年3月30日現在の経済産業省のホームページによりますと、東京電力・北陸電力・関西電力などでは、固定買取期間終了後も新しい単価(2019年度は24円/kwh)で買取を継続していくとあります。余剰電力の買取が続けられるエリア内で、売電と買電が同等額の場合は、太陽光発電で得た電気を蓄電池に貯めるというのは非効率です。

 また、余剰電力の買取がなくなる地域だったとしても、わざわざ蓄電池を購入して電気を貯めるよりは、余剰電力を捨ててしまったほうがコストは低くなる可能性が高くなります。仮に10kwhの容量の蓄電池を買う場合で、電力会社から買う電気kwh単価を24円とすると、

10kwh×24円×365日×10年(一般的な製品保証)=876,000円

 つまり、蓄電池を約87万円以下(税込・設置料込み)で購入できなければ、導入費用の元が取れないわけですから、現在の蓄電池相場では費用回収ができない可能性が高いでしょう。

 

【経済産業省の固定買取価格についてのQ&A】はこちら

よくあるご質問|資源エネルギー庁

※経済産業省資源エネルギー庁のホームページです。広告ではありません。

 

 

太陽光発電との相性良い②パワーコンディショナーが内蔵されている

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 太陽光発電のパワーコンディショナーは、10年保証としているメーカーが多い印象です。以前パワーコンディショナーの取替え工事があった案件では、約25万円くらいの費用が掛かっていたと記憶しています。パワーコンディショナーが故障して取替え時期になった時、工事業者から蓄電池と合わせて購入を勧められる場合があります。ただしこの場合も先ほどの費用検討と同様、費用面だけで得をしたいというなら、蓄電池の導入はコストが合いません

 また、太陽光発電システムと蓄電池は別物のシステムです。無理に太陽光発電のパワーコンディショナー内蔵された蓄電池を選んでも、パワコンまたは、蓄電池のどちらかが故障すると丸ごと交換となり、かえって経済効率が悪くなる可能性もでてきます。

    

電気料金の削減効果

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 東京電力エナジーパートナーの「スマートライフ」プランの1kwhの電気料金単価は、深夜1時~朝6時までの電気料金単価は17.46円、その他の時間は25.33円で、その差が7.87円になります(2019年3月30日現在)。

東京電力エナジーパートナーの【スマートライフ料金プラン】はこちら

スマートライフ|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社

 蓄電池は、単価の安い深夜電気を貯めて、単価の高い日中に貯めた電気を自家利用することで電気料金の削減につながります。仮に蓄電池の容量が13.5kwhの場合

13.5kwh × 7.87円 × 30日(1ヶ月)≒3,187円

ということで、電気代の削減効果は1ヶ月で約3,187円です。10年間の経済効果に直すと約38万円程度に留まります。さらに言えば、「深夜電力時間となる5時間で、大容量蓄電池をフル充電できる商品はない」ということと、「蓄電池の稼働電力もかかる」という事を考えると、電気料金の削減で蓄電池導入の資金回収というのは現実的ではありません。

 

 このように蓄電池導入のメリットで出されるうち、経済的なメリットは導入費用に比べると一部になります。大切なのは、費用面だけにとらわれず、災害対策などを含めたトータルでの魅力を感じるなら導入を検討しても良いのだと思います。

 

電気自動車を蓄電池として使うのはアリか?

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 2016年から始まった電力自由化では、東京電力の深夜料金の割安感は薄くなりました。日中と深夜の料金単価の差が少なくなり、割引時間も7時間あったところが5時間に削減されています。これにより、電気自動車の経済的メリットは以前よりは低くなったと考えられますが、それでもガソリン車よりも燃料コストが抑えられると聞きますし、行政からの補助金や税金の軽減が受けられる場合は魅力的です。 日産リーフの蓄電池容量は40kwh・60kwhでラインナップされており、電気自動車を蓄電池として見ると大容量でとても効果的です。「車所有が前提」+「蓄電池導入を検討している」というひとには最善の選択になるかもしれません。

 

まとめ

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  一般的によく言わる蓄電池導入の経済的メリットについては、全てを積み重ねても導入費用の元が取れるには至りません。ですから金銭的に得をしたい方は数字が合わない可能性が高いと思われます。それより、「災害対策」+「経済的メリットによる一部費用の軽減」+「補助金」を総合的に見て価値があると思えれば、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 ちなみに、車所有が前提なら「電気自動車を蓄電池利用する」は効果的です。