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境界標がない!土地・戸建の購入で注意してください!

 土地・戸建ての売買。発生しやすい問題では「境界トラブル」が挙げられます。長らく住んでいたお隣さん同士では、問題の先送りをしていたことが、子の代に引き継がれたり第三者に売却されたりすると、問題が表面化して収拾がつかなくなることも多々あります。それまでの経緯も知らない土地の購入者は、このような境界トラブルに巻き込まれると強い態度で主張がしずらくなります。

 今回は「不動産売買における境界トラブル」についてお話ししたいと思います。

売主の境界明示義務

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  現在の取引では、境界明示を売主の義務とするのが一般的です。近隣との境界については、それまでの所有者が事情を知っているわけですから、当然の流れだと思われます。あえて境界の明示・復元については現況のまま、買主負担と表示してくる場合は、売主側が、なんらかの境界トラブルについて知っている可能性があります。

 現在の建物をそのまま利用しているときは、境界トラブルは表面化しない場合もありますが、将来建て替えをするときに敷地境界がハッキリしないととても困ることになります。建て替えの依頼を受けた建築会社は、境界が不明瞭のまま建築を行うと近隣トラブルに巻き込まれてしまうので、施主に境界の明示をしないと着工できないとする場合が一般的です。

 土地や戸建住宅を購入する場合、前所有者のうちに問題を解決してもらってから、引き渡しを受けることが大切なことになります。

 

実際にあった境界トラブル

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 境界トラブルは、経験上や仲間の取引事例で数多くありますが、そのうちの一部では以下のような例がありました。

 

前所有者の頃にあった境界トラブルが、引渡後に再燃

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 所有者が亡くなって家族に相続された不動産の場合、相続を受けた家族も知らない取決め事があったりします。所有する必要のない不動産を引き受けた家族は、売却して資金化することも多いです。

 ここでの事例は、相続によって引き受けた戸建てを相続人が販売し、第三者が購入・引渡しを受けていた案件でした。購入当時、大幅な値引きを申し入れ、かわりに境界明示の売主義務を無くして、境界設置は買主側の責任と負担で行う特約を付けたということでした。土地の引き渡しから1年ちょっと経ち、建物を解体して建て替えようとしたときに、隣人から境界について承諾が得られないと発覚します。買い受けた方が隣人との話し合いで苦労して、結局「面倒なので転売したい」という依頼を受けたことがありました。そしてその方は、境界トラブルを隠して売却することはできないので、市場価格より安価で隣人に売却したという結末になりました。

 法律上の解決を求め、調停⇒裁判という方向性もあるのですが、精神的・時間的労力や周辺の事情もあって、争うより引き払うという選択をするケースも多いです。

 

隣地所有者が亡くなっており、その親族も境界立ち合いをしてくれない

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 土地の契約直前に、近隣の方にヒアリングしていたときには元気であったおじいさんが、土地の契約後⇒引渡し前に亡くなってしまいました。同居されている親族の方に境界立ち合いを依頼したのですが、「相続財産について兄弟でもめており、相続の話がまとまるまでは境界を認めることは絶対にしない!」と強く断られました。

 結局、この土地契約はその後に解約となったのですが、土地購入者はハウスメーカーと建物の契約を独自に済ませており、建物請負契約の解約金などについてハウスメーカーともめていました

 この契約では、「境界明示ができない場合は白紙解約」という特約が付いていたので売主側のペナルティはない状況でした。購入者側は夫婦でとても気に入ったハウスメーカーがあり、そこのキャンペーンの利用期日に間に合わせるために、土地契約の同日に建物請負契約を見切り発車で進めていたために問題となりました。

 

前面の私道部分との敷地境界について境界標の設置を省略している

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 大手不動産会社の契約書でも「道路部分の境界標については省略できる」旨の記載がされているものも多くあります。接道部分が私道の場合は、現地に境界標があるか確認が必要です。道路との境界が明示できていないと、建築工事を進めないハウスメーカーも多く、土地購入者(施主)は建築工事前に現地に無い境界標について復元求められるケースがあります。

 正面の道路が私道の場合、複数のひとで共有していることが一般的です。以前の実例では、私道共有者が30人おり、そのうち3名が音信不通で、工事が開始できるまで半年以上かかったことがありました。建築のスケジュールが遅れると、つなぎ融資の金利負担や賃貸住宅の更新料などが発生し、思わぬ出費が積み重なります。

 また、私道所有者が海外に居住中だった案件では、日本には年2回しか戻らないので、境界立ち合いのタイミングを合わせてほしいと言われたこともありました。工事の着手が遅れ始めることで不測の損害が発生することがあります。土地を購入する場合は、売主に道路部分も境界明示する特約をつけよう依頼しましょう。

 

  いずれにしても、不動産購入時の境界トラブルについては、契約前の準備で回避できる場合が結構あります。境界明示を求めたときに、「現況有姿売買だと押し切ってくる業者さん」や「境界の復元ができない場合の対処方法が明記されていない取引」は、問題が発生した場合に不安定な状況になりますので、チェック項目にいれておきましょう。

 

まとめ

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  土地や戸建住宅を購入する場合は、売主の負担と義務で、隣地境界・道路境界の明示してもらいましょう。契約書の特約事項に、その旨の記載してもらうことで売主の義務となります。相手方から「現況有姿売買の場合は、買主が引き渡しを受けてから境界設置するものです」とか「売主からの要望で境界設置は引き渡し後にやってください」という回答がくる場合は、隣地所有者に直接ヒアリングしても良いくらいです。決断にあたり慎重になりましょう。