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利害関係や余計な立ち回りぬきで、気になる不動産の情報をお話しします!

不動産の査定価格はあてにならない?という話

 インターネットで「不動産売却」を検索をすると、有名な会社の大量な情報がでてきます。大手不動産会社の広告に始まり、不動産広告業者のHow to的なもの、不動産一括査定など、最初のページの中の情報に目を通せば、売主さんとしての準備も結構整います。昔と比べて、一般消費者にとっても良い時代になったと思います。

 それでも不動産の業界は、一般の方にはまだまだナゾなことが多いのも事実です。 以前、知人から「不動産の査定価格はどうやって出しているのか?」と聞かれたことがありましたので、そのことについてお話ししたいと思います。

査定価格は不動産会社によって結構差が出る

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  一般的な住宅の査定価格は、近隣の「販売されている物件の価格」や、「成約事例」をもとに㎡単価で算出するのが定石なのですが、複数の不動産会社に査定依頼をすると、上と下の査定価格で結構差が開くことがよくあります。それは、周辺物件の単価がそもそもバラバラだったりして、どのデータを基に計算するかで、誤差とはいえないくらいの大きな差が出るらです。

 

近隣の販売物件・成約価格の㎡単価がバラバラなのはなぜ?

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 不動産の販売されている物件価格や成約価格は、いろいろな要素によって大きく変わります。不動産は同じものが2つありませんから、他の販売物件や成約事例と比較しても参考値程度にしかなりません。不動産会社で利用されている査定ソフトでは、外形的な条件は掛け目をつけて調整しますが、外部からみて事情が読み取れないことについては、調整しようありません。

掛け目をつけて調整できるもの 敷地や建物の形状・状態など

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 上の図の6つの土地の事例では、間口や向きによって掛け目が設定されています。このような外形的にわかりやすい条件の違いは「南向きは5%アップ」「Ⅼ字型敷地は20%ダウン」「築年数22年で残存10%」のように整合性をとっていきます。

掛け目をつけて調整できないもの 売主・買主の事情によって変わるもの

  • 離婚するので共有名義のマンションを即売却したい⇒安くても早く売りたい
  • 次の家を買ってしまっているので期日までに売却したい⇒段階的に価格変更したい
  • ローンの残債がたくさんあるので価格を下げられない⇒時間がかかっても高く売りたい
  • もしかしたら高く売れるかもしれないから、最初だけ強気で行きたい⇒最初は近隣物件よりも高い価格でしばらくすると値下げする
  • 持ち家の隣が売りに出た⇒地続きで所有物件の価値も上がるので高値でも買いたい
  • 相続税対策で不動産購入をしたい⇒目標の評価額の物件を買うことが大切で価格は気にしない

 このような、売主や買主の個別の事情になると、市場とか近隣の物件価格などはあまり関係なくなってしまいます。それらの、近隣の「販売されている物件の価格」や、「成約事例」が不動産査定の根拠となると、通常通り販売したい物件でも価格が引っ張られることが結構あるのです。

 

さらに査定根拠に利用されるの成約事例はほんの一部でしかない

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 不動産会社は売却委任(専任・専属選任)を受けた場合、レインズというシステムに売却物件の登録をします。そして、その後成約した場合は、レインズに「成約済み」として登録するのが決まりになっています。このレインズの成約情報は、現在の不動産査定で一番の頼りにされる成約事例です。

~レインズ 成約事例情報についてはこちらから~

不動産取引情報提供サイト(マンション・戸建住宅の売買価格・相場・取引事例の情報公開サイト)

※【REINZ Market Information】のページです。広告ではありません。

 ただ、このサイトの情報をよく見ると、掲載されている成約事例は、実際に取引されている案件の一部分にすぎないと気づきます。みなさんのお住いのエリアを入力してみてください。成約時期を並べ替えてみると、3ヶ月(四半期)ごとのくくりになってでてくるのでわかりやすいと思います。現実的な数字でしょうか?

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 結構多くの不動産会社は、いろいろな理由で、成約した物件を「成約済み」で入力せず、「物件の削除」をしていると考えられます。

 つまり、不動産査定の根拠にされているレインズの「成約情報」は、専門家が利用する情報の中で一番信用性が高いされながらも、実際の取引事例のなかの一部に過ぎないというのが現実です。

 

査定価格が高い会社はむしろ信用できない?!

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 不動産の営業マンは、査定価格の根拠の数字が実はあいまいだということを知っています。ですから、不動産業者によっては「販売想定価格は〇〇〇万円~〇〇〇万円、売り出し推奨価格は〇〇〇万円~〇〇〇万円。」のように、複数の価格設定をしたり、幅をもたせたりしています。むしろそんなことよりも、何社かの不動産会社が同時に査定しているとしたら、少し高めの査定書をつくって、競合から商談を勝ち取りたいという方向に進んでしまいます。

 必ずしも、査定書の価格が高い業者が、販売力のある会社ではありません。

「周辺相場より高く売ります」=「買主側に損させます」ということです。

 物件情報が自由に閲覧できるご時世で、周辺相場より高く売り出すのは結構危険です。売れ残り物件となって、じわじわ値引きしながら販売するのは結構大変な思いします。あまり査定価格だけにとらわれず、販売方法や今後のスケジュール・売却手続きのアドバイスがしっかりしている担当さんを選んだ方が幸せになれます。

 

まとめ

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 不動産業者が出す査定価格は、目安にはなりますが、あてにならないと考えておきましょう。